北大構内の花木園で、クロユリの花が見ごろを迎えている。学生らが中心となって昨年復活させた群生地は北大の「新名所」。二年目の今年もタンポポなどに交じり、紫がかった黒い花が風に揺れ、学生や観光客ら見る者を引き込んでいる。

　高山植物であるクロユリは、本州以南では一般に高山帯にしか生えない。北大のクロユリは、昭和初期まで構内のあちこちで見られたが、いつの間にか姿を消したという。

　この「幻の花」を復活させようと、学生の美術部「黒百合会」とＯＢ会が一昨年秋、ポプラ並木そばの花木園に球根約七百個を植え、昨年初めて約九百もの花を咲かせた。

　散歩がてら訪れた近所の主婦は「あやしげな雰囲気が魅力的。毎年咲いてほしいですね」とうっとり。ＯＢ会の田中督（すすむ）さん（７４）は「北大のシンボルとして、今度は絶やさないようにしたい」と話している。

　今年は昨年よりやや少ないものの、花は今月末ごろまで楽しめるという。

(北海道新聞　引用)

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